日本のお正月といえばおせち料理を食べて、初詣に行って、新年のご挨拶をするという方が多いでしょう。
しかし世界各国のお正月文化は、これに当てはまらない風習や文化がたくさんあります。
むしろ、お正月におせち料理を食べて初詣に行くのは日本くらいかもしれません。中にはお正月が3回あったり、元旦がお正月ではなかったり、そもそも1月1日はそれほど重要ではないという文化まであります。
日本との違いにびっくりする世界のお正月。コロナ禍でなかなか海外へ行けない今、世界のお正月文化をご紹介し、皆さんに楽しんでいただければと思います!
中華圏のお正月
東南アジアや東アジアなど、日本と距離が近い国のお正月はどういう文化があるでしょうか。
中華圏のお正月は日本と同じように元旦に初詣に行ったり…ということはなく、そもそもお正月の時期が日本とは異なります。
中国のお正月は旧正月
東南アジアや東アジアなど、多くのアジア圏でお正月といえば、旧暦の旧正月(英語ではChinese New YearやLunar New Year)を指します。
日本は新暦の1月1日にお正月のイベントがありますが、中華圏では元旦がお正月ではないということです。
もちろん、中国にも1月1日は元旦があり、1月1日から3日間の連休もあります。しかしそれよりも旧正月に大々的にお正月のお祝いをするのです。
旧正月は中華圏にとって最も大切な伝統ある祝日で、企業や学校は休みで、家族や親戚でお祝いしたり、旅行に行ったりします。日本もコロナ前は、旧正月に中華圏の方の来日数が増えていましたね。
中華圏の方とビジネスする場合、この期間は連絡が取れない可能性が高いので、注意が必要になります。
また、旧正月の期間は春節(旧暦で元旦のこと)の前日から1週間程度の期間です。旧暦で計算するので、旧正月の期間は毎年変動します。ここも日本とは違う面白いポイントですね。おおよそ毎年1月下旬から2月上旬に春節となります。
2022年で言えば春節が2月1日なので、1月31日から2月6日が旧正月で、1月29日と30日に振替出勤になります。
旧正月をお祝いする国は中国以外にも多数あり
中国以外にも、旧正月をお祝いする国や地域はたくさんあります。
中国のほか、香港、台湾、韓国、モンゴル、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどもお正月と言えば旧暦のお正月を指します。
なぜ旧暦を使うのかと言えば、中国では1912年に太陽暦が導入されましたが、伝統的な祝日は太陰太陽暦(陰暦・旧暦)でお祝いするのです。日本のように太陽暦でお正月をお祝いする方が少ないかもしれません。
ちなみに、「魔除け」のために爆竹でお祝いをする地域もあり、日本の横浜中華街や長崎中華街でも春節のお祝いがあり、カウントダウンイベントやパレード、中国武術、雑技などで盛大にお祝いします。
春節では何を食べる?
日本のお正月といえばおせち料理を食べますが、旧正月ではなにを食べるのでしょうか。
地域により異なりますが、中国では八角形が縁起が良いとされ、元宵団子や八角形のトレイに入ったお菓子などを食べます。
「船の転覆」をしないように願掛けで、魚料理の魚をひっくり返さず食べるというのもあります。
また、シンガポールやマレーシアでは旧正月に1年間幸せに過ごせるようにと魚生(イーシェン)を食べます。
日本風に言えばお刺身サラダですが、大皿に盛り付けられた野菜やお刺身を「ローヘイ、ローヘイ」(大漁、今年も儲かりますようにという意)と言いながら、混ぜて食べます。ローヘイと言いながら混ぜるのも楽しいですよ。
他にも、日本のおせちのように願掛けをしたラッキーフードが各国にあります。
お年玉のポチ袋が赤い?
中国でもお正月(旧正月)にお年玉を配る文化があります。
しかし日本とはちょっと違い、ポチ袋が赤く、子供だけでなく両親や祖父母や職場の部下にもお渡しするのです。
中国のお年玉は紅包(ホォンバォ、英語ではred envelope)といい、旧正月だけでなく、結婚式や誕生日などお祝い事にお金を包む際にも使われます。
特徴的なのは包が赤いことで、赤色は幸福や幸運を象徴、厄を払う大変縁起の良いカラーです。
日本のお年玉で赤いポチ袋はあまり使われないので、ここも日本とは違う点ですね。
その一方、日本とも少し共通しているところもあり、それが包むお金です。
地域によりますが、包む金額は偶数で、死を連想させる「4」を避けたり、新券を銀行で用意して包みます。春節の前は新券を用意するため銀行が混雑するほどです。
また、紅包の袋は自分で買うこともありますし、台湾などのスターバックスや金融機関では紅包袋が貰えることもあります。企業が独自に紅包袋を作りお客様に配るほど、紅包は中華圏で浸透しているとお分かりいただけるのではないでしょうか。
ちなみに、紅包は中国だけでなく、シンガポールのような中華圏でも紅包を渡す文化があります。
ロシアのお正月
ロシアのお正月はどうでしょうか。日本のように正月飾りを家に飾り、1月1日は初日の出をみて…とは異なります。
お正月は大晦日から始まる
ロシアのお正月は12月31日、つまり大晦日から始まります。大晦日の2日前ほど前から大晦日に食べるごちそうを用意し(年末のロシアのスーパーは毎年大混雑します)、大晦日のお昼ころからみんなで集まり食事をします。もちろんお酒もたくさん…!
そして年末のカウントダウンがテレビなどで中継され、年越しと同時にシャンパンを開けるというケースも多いのです。そして朝まで飲んで翌日は二日酔い…なんてことも珍しくありません。
またお正月のテレビは「運命の皮肉 あるいはいい湯を」「イヴァン・ヴァシリーヴィッチの転職」という映画がよく放送され、ロシア人なら知っていて当たり前というほどお正月の定番です。
新年の後にクリスマスが来る
また、日本と1番異なるのは、ロシアのクリスマスはお正月の後に訪れ、元旦の時点ではまだ街中はクリスマスムードなのです。
クリスマスって12月25日じゃないの?と思うかもしれません。カトリック教会も正教会もクリスマスは12月25日ですが、暦に使うカレンダーが違うので、実際に祝う日が違うのです。
ロシア正教会はユリウス暦で数えるため、クリスマスは1月7日になるのです。
なので、1月1日など日本のお正月期間もロシアではツリーが飾られており、1月7日に祝い事を行います。
ちなみに、ロシアのクリスマスは日本とちょっとずつ違う点がたくさんあります。
たとえば、ロシアではツリーを「ヨールカ」(モミの木という意)と呼びます。厳密にはロシアのモミの木はトウヒなのですが、モミの木もトウヒの木も見た目はそっくりです。
また、サンタクロースは「ジェットマロース」や「マロースおじいさん」と呼ばれ、孫娘の「スネグローチカ」(雪娘)と一緒にプレゼントを配ります。
そしてロシアは宗教を禁止されていた時代的背景もあり、1月7日のクリスマスより新年を特に祝います。年末はヨールカ祭という、子供のためのイベントや新年を祝いお祭りがあります。
スイスのお正月
スイスのお正月は日本とどう違うでしょうか。
まず、スイスは26の州が集まった連邦国家なので祝日は各州政府によって決められます。
ですが一般的に12月25日クリスマス、1月1日新年は祝日で、ジュネーブでは12月31日にジュネーブ共和国復興記念日があります。
そのような中、年末年始は家族でわいわい過ごすのがスイス流。カウントダウンイベントが各所で開催され、年が明けた瞬間に花火が上がります。ホームパーティを開く人も多いです。
ジルヴェスタークロイゼ
東側のスイスの代表的なお正月文化もあります。
それがジルヴェスタークロイゼで、スイス東部のアッペンツェル・アウサーローデン州のウルネッシュを中心に、長い間受け継がれてきた大晦日の風習です。
12月31日の大晦日(ジルヴェスター)と、ユリウス暦(ローマの英雄・ユリウスカエサルによって導入された太陽歴のこと)の大晦日にあたる1月13日の2日間に行われる年越しの行事です。年明けが2回くる、とも言えます。
「美」「醜悪」「自然」の3種類のクロイゼと呼ばれる精霊が、それぞれ独特の衣装と仮面を身にまとい、鈴の音をならし、ヨーデルを歌いながら村を練り歩きます。悪霊を追い払い、新しい年の福を取り入れます。
タイのお正月
タイにはお正月が3回あることをご存知でしょうか。
タイには新年、旧正月、ソンクラーンの3回もお正月があります。
新年は文字通り1月1日で、旧正月は先ほどご紹介した春節、そしてソンクラーンはタイの伝統的な正月行事です。
ソンクラーン
ソンクラーンは毎年4月13日から4月15日ころにかけて行われる正月行事で、太陽の軌道が12か月の周期を終え、新たに白羊宮(おひつじ座)に入る時期に祝います。
故郷に帰ったり、旅行に行く人も多く、タイからの訪日数が1番増えるのもこのソンクラーンのシーズンです。
敬意をこめて仏像や家族の年長者などの手を清めるため水をかけ、近年は街の往来で通行人同士が水をかけあう「水かけ祭り」として知られています。
ブラジルのお正月
日本とは季節が真逆のブラジルのお正月はどうでしょうか。
元旦の日本は真冬で寒いですが、ブラジルは真夏です。
大晦日〜正月のイベント
サンパウロでは大晦日に毎年恒例のマラソン大会が開催され、放送を見る国民が多いです。このマラソン、なんと90年以上の歴史があります。
また、大晦日らから元旦に変わる瞬間にはたくさんの花火が盛大に打ち上がります。特にリオのコパカバーナ海岸の花火が有名で、毎年世界中にその模様がニュースで伝えられていますね。
そしてブラジルには新年と同時に行う縁起担ぎもあります。白い服を着て、鳥は食べずブドウやヒラマメなど食べ、海で波を7回飛び越え、シャンパンを飲むなど、たくさんの縁起担ぎがあります。
アメリカのお正月
アメリカのお正月はどうでしょう。
やはり日本でも毎年ニュースで流れるタイムズスクエアのカウントダウンが有名ですが、それ以外にもどんなイベントがあるでしょうか。
各地でカウントダウンがある
アメリカでは大晦日をニューイヤーズ・イブ、元旦をニューイヤーズ・デーと言います。
ニューイヤーズ・イブは各地でカウントダウンイベントがあり、1番有名なのはニューヨークのタイムズスクエアのカウントダウンです。
タイムズスクエアのカウントダウンは世界最大級の規模と言われており、世界中から人が集まり、世界中に中継されます。
ただ、このカウントダウンに立ち会うには10時間以上、寒空のもと立って待つ必要があります。一度入場すると出入りができないので、トイレも限界まで我慢することになります。
過酷な状況ですが、それでも毎年大勢の人がタイムズスクエアのカウントダウンに参加しています。
1月2日から学校が始まる
日本は三が日の間は企業や学校、公官庁もお休みですが、アメリカは1月2日から学校や企業も動き出します。
アメリカの元旦は祝祭日としてお休みですが、2日以降に動き出す学校や企業が多いのです。日本よりもあっさりしたお正月とも言えます。
実はアメリカはニューイヤーイベントよりも、サンクスギビングやクリスマスの方が最も盛り上がり、大晦日や新年はその2つに比べるとそれほど盛り上がらないという背景があります。
ちなみに、知人などに会うと「メリー・クリスマス♪」と声をかけることがありますが、近年はポリティカル・コレクトネスで「ハッピー・ホリデー」で言う傾向にあります。
キリスト教以外の人も多数いるアメリカらしい時代の変化ですね。
グアムのお正月
アメリカは国内でも時差があるほど国土が広い国です。では、アメリカで1番始めにお正月を迎えるのはどこでしょうか。
ハワイ!と言いたくなりますが、実はグアムがアメリカで1番早く新年を迎えます。
グアムもカウントダウンや花火が打ち上がりますが、日本のような三が日や初詣もありません。
オーストラリアのお正月
オーストラリアのお正月はどうでしょうか。
オーストラリアは南半球にありますので、日本の寒いお正月とは真逆の、温かいお正月を迎えます。
オーストラリアもアメリカのように、クリスマスが1番盛り上がるので、大晦日や元旦はクリスマスホリデーの締め、おまけのような立ち位置になります。
オーストラリアの大晦日は祝日ではなく平日なので、営業している企業もありますが、休業する飲食店も多いです。
ただ、カウントダウンはやはり盛り上がるので、夕方頃から人々が集まりだします。オーストラリアでカウントダウンといえば、オペラハウスやハーバーブリッジ周辺が有名です。
また、元旦は祝日となり、ほとんどの企業や飲食店は休業しています。
インドのお正月
インドのお正月といえば「ディワリ」です。
ディワリはインドの新年を祝うイベントで、毎年10下旬月から11月上旬の5日間、開催されます。
ディワリでは家を掃除して、ランプを飾ったり、祈りを捧げたり、親戚や友人と集まったりと日毎にやることが決まっています。ディワリの期間は建物などがイルミネーションでライトアップされ、「光のフェスティバル」とも言われとても綺麗です。
では、元旦はなにをするのでしょうか。
インドの1月1日もNew Yearですが、日本のように全てお休みというわけではなく原則平日という扱いとなるケースが多く、祝日となるかは州政府によってケース・バイ・ケースなのです。
というのも、インドの祝日は州や宗教によって異なり、何より1月1日を始め、年の何日かの祝日は州政府が選択して決めるスタイルを取っています。なので、州によって祝日だったり平日だったりと違いがでてきます。
ただ、慣習的に1月1日は休むという企業もありますが、営業している銀行もあるなど、民間レベルでもケース・バイ・ケースです。
また、イギリスの植民地だった名残で、ニューイヤーズ・イブやハッピーニューイヤーのお祝いも行います。ニューイヤーを祝うパーティーやコンサートもありますが、やはり1番のメインはディワリです。
まとめ
世界にはたくさんのお正月文化があり、びっくりした方もいらっしゃるかもしれません。コロナ禍でなかなか海外に行けない今、ご自宅などで各国のお正月文化を再現してみると、いつもと違うお正月を過ごせるでしょう。
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