「株は情報戦だ」とよく言われますがまさしくその通りで、株はその動向や買い時、そして売り時など様々な「情報収集」を行うことで日々のトレードが成り立つと言っても過言ではありません。プロの投資家や専業トレーダーなどは独自の情報網や独自の理論に基づいてトレードや売買を行いますが、株の初心者の方はそもそも判断材料となる情報をまず取得するところから始めましょう。そこでここでは、株の初心者だからこそ注目しておきたい情報源についてそれぞれメリット・デメリットを含めてご紹介していきます。

 

株は情報収集が命!その方法は?

株に関する情報を収集するのに、今はとても便利なものがあります。それが今お使いのインターネットです。昔はインターネットがなかったため、株に関する情報収集や情報戦は熾烈を極めました。しかし現在ではインターネットでもある程度の情報を入手することができるようになりました。しかしインターネットから情報を得るといってもその方法は多岐にわたり、今回ご紹介する様に「株に関する情報の収集」と一口に言っても多くの情報チャネルが存在します。

 

そこでここでは、それぞれの情報源となりうる媒体についてご紹介し、それぞれの特徴はもちろんのことメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

 

株に関連する情報公開を行うブログ

 

まずご紹介したいのはブログです。専業投資家やトレーダーなど、いわゆる株取引の先輩とも呼ぶべき存在の方が運営しているブログもあれば、株取引に関連する各種企業が無料で情報発信を行っているブログなどもあります。

 

特にブログはその性質から速報性に優れ「業界紙」な立ち位置のブログも存在するなど、社会的な認知度も高いことから株取引に関する情報源としては親和性が高いわけです。

 

また、ブログの中にもまとめブログなどと呼ばれる、インターネット上にある様々な株に関連する掲示板の情報をまとめたものも存在しますのでこちらをチェックするというのも一つの使い方です。

 

 

このチャネルのメリット

 

ブログは基本的にはオープンなメディアですので、公式情報などを含めて情報が得やすいというメリットがあります。

 

さらにブログにはマスメディアが情報元として使うほど信頼性が高い媒体も存在し、企業が運営しているものがあるなどで公式情報を得やすいというメリットもあります。

 

また、速報性のある情報もブログで得ることができることから、まず株の取引に関する情報ソースとして押さえておきましょう。

 

デメリット

 

株取引の情報を確認するにおいてブログを使うことには、デメリットもあります。まず情報の密度が「無料で公開されている範囲のもの」ということでもそこまで高くない、ということが挙げられます。速報的な情報や簡易的な情報を得るには適しているメディアではあるものの、限定的な情報を得ることはまず難しいと言って良いのではないでしょうか。

 

またブログを運営しているメディアや運営元によってはどうしても主観が入りやすいというデメリットがあります。

 

ブログの情報を盲信することなく、あくまでも一つの情報として捉えることができる人であれば、上手に付き合っていくことができるでしょう。

 

メルマガ

 

メールマガジン・略してメルマガは昔からある媒体の一つです。ブログメディアよりもクローズドな環境にあることから、トレーダーの考え方や投資の手法など、ちょっとした業界裏話のようなものを得ることができるケースもあります。

 

また、メールマガジンを購読している人にしか情報が届かないという点を活かし、限定情報の配信を行っているメールマガジン配信者も多数存在します。ブログでは得られないようなクローズドな情報を得るならメールマガジンも選択肢に入れておいて良いでしょう。得にやり手の投資家さんや有名なトレーダーのメールマガジンについては拘束しておいて損はなさそうです。

 

このチャネルのメリット

 

株に関連するメールマガジンを購読するメリットとしては、とにかくクローズドな情報を得ることができるところと、配信者である「トレーダーの生の情報」をダイレクトに受け取ることができるというポイントが挙げられます。また、メールマガジンの媒体性を活かして速報が入ってくるケースもあることから「ある日突然、超限定情報が速報として入ってくる」という嬉しいハプニングがあるのもメールマガジンのメリットでしょう。複数のトレーダーさんのメールマガジンを購読しておくことにより、断片的な情報をつなぎ合わせることもできそうです。

 

 

デメリット

メールマガジンのデメリットとしては、最近は株関係のメールマガジンにはとにかく広告が多く、余計な情報がノイズとして入ってきてしまう可能性も否定しきれないポイントが挙げられます。その反面、広告などの掲載がない純粋なメールマガジンであれば特段のデメリットはないといってよいでしょう。

 

ただし配信者によっては、すぐにお金がかかる商材への勧誘を行うケースもあります。そのためいわゆる「養分」にならないための心づもりは必要です。本当に価値のある情報にのみお金を支払う、という姿勢で臨むことが重要です。

 

5ch(2ch)などの掲示板

 

昔は2ちゃんねると呼ばれており現在は5ちゃんねると名称が変更になった巨大掲示板を筆頭に、匿名掲示板の情報も株の初心者の方の情報源としては適しています。とくに5chなど巨大匿名掲示板群はその性質上、常駐している人数は「ケタ違い」。

 

初心者からプロまで、匿名だからこそ様々な人たちが掲示板に書き込みを行っていますのでその情報量は圧倒的な質量を伴います。

 

また、その圧倒的な情報量と人の多さから情報の速報性については、今なおブログやメルマガなどの追随を許しません。

 

さらに話題によってスレッドと呼ばれる小さな掲示板のようなものが存在しますので、深いテーマについての情報収集を行ったり特定の企業に関する情報を収集する場合は、匿名掲示板を利用するのも一つの方法です。

 

このチャネルのメリット

 

こういった巨大匿名掲示板を利用するメリットとしては、とにかく情報が玉石混交だというポイントが挙げられます。

 

文字通り宝石レベルの情報もあれば、全く役に立たない情報やフェイクの情報も流れているなど、情報の取捨選択はその圧倒的な情報量だからこそ読み手がきちんと行わなくてはなりません。しかし、石ころの中に超弩級のダイヤモンドが紛れているかのように、大きな利益に繋がるとんでもない情報が隠れているケースもあります。

 

特に、関係者からの情報漏えいでもない限り絶対に掲載されるはずのない情報が公式発表前に掲示板にアップされることも歴史的には多々存在するため、プロのトレーダーの中にはこういった掲示板を絶えずチェックしている猛者もいるほどです。

 

デメリット

 

掲示板を利用して情報収集を行うことのデメリットとしては、メリット同様にとにかく「情報が玉石混交」であるというポイントが挙げられます。つまり、様々な目的で必ずしも真実でない情報が書かれていることが多く、どちらかと言うと超ド級のお宝情報が一つ入っていれば他の99個の情報はフェイク情報であったり、役に立たない情報であるくらいの心構えでいた方が良いでしょう。また、こういった掲示板を利用することによって得た情報の取捨選択に失敗してしまうと、結果的に株で大損をしてしまうことも考えられます。

情報商材

 

これで株のトレードにも失敗しない、これで人生が大逆転したなど、キラキラとした華美な広告文言が並ぶ、ウェブ上の広告を見たことがあるでしょうか。それが、情報商材です。

 

こういった情報商材は「情報そのもの」に対価を支払うタイプの商品で、株の取引やFXに関連する情報商材はとりわけ、数多く存在します。

 

また、著名な投資家や有名なトレーダーが監修していたり販売元として名を連ねているタイプの情報商材は往々にして金額が比較的高額に設定されていることがあり、特に株初心者の方には手が出づらい金額設定になっていることもあります。

 

 

基本的に、株の情報収集としては初心者の方が無理をして手に入れようとすべきものではありません。

 

情報商材で手に入る情報はその多くがネット上などでも無料で、あるいは多少の労力で手に入れることができるようなものであり、商材の料金に見合うだけの情報を得ることができるケースはかなり稀といってよいでしょう。

 

もちろん、その金額に「値」する情報商材も多数存在しますが、そういった情報商材とそうでない情報商材を見分けるのは初心者の方には難しいものでもあります。

 

このチャネルのメリット

 

株に関連する情報商材のメリットとしては、本当に価値のある情報商材に巡り合うことが出来れば、長年の投資経験を積まなければ得ることができないような知見やノウハウを一挙に得ることができるなどがあります。

 

また、自動売買ツールや取引を手助けしてくれるツールなどの商品であれば、実際に有用性の高いものが販売されているケースもありますので、一概に情報商材にメリットは全くない、と言い切ることもできないのが現状です。

デメリット

 

情報商材を利用することによるデメリットとしては、とにかく高額になりがちであること・そして購入するまで情報商材の中身が見えないことから、いわゆる「大博打」になりかねないというポイントが挙げられます。

 

価値のある情報であれば良いのですが、明らかに価値のない情報であったり既に知っている情報であったとしても、情報の対価は支払わなくてはなりません。このように情報の中身が不透明であるというポイントからも、玉石混交と言われる情報商材に株の初心者の方が手を出すのはあまりお勧めできません。

 

LINEグループ

 

最近は、多くの人が利用しているチャットアプリであるLINEのグループチャット機能で様々な情報を交換しているケースもあります。こちらは情報の即時性はもちろんのこと、同報性が高い特性を活かして、投資塾のような運営形態になっているケースも多く存在します。

 

無料で入会することができるLINEグループもあれば、ある程度の費用を支払って入会する権利を得るというタイプのLINEグループも存在しますが、とにかく密度の高い情報交換をすることが可能です。チャットアプリということで、積極的に情報発信をしたり質問を送るなどのアクションも可能なことから、最近は双方向のプラットフォームとして株の情報が活発に交換されているイメージです。

 

このチャネルのメリット

 

なんといってもこのタイプの情報チャネルの良いところは、双方向の情報発信ができるというところです。

 

つまりグループチャットということなので、普段は情報の受け手であるご自身にも発言のチャンスがあるというわけです。意見を表明するのも良いですし、特に株の初心者さんであれば受けた情報に対して質問や疑問を持たれることもあるでしょう、そういった疑問・質問をそのままチャットグループに投稿することにより、即時に様々な回答を得ることができたり、様々な教えを得ることができるというのもこのタイプの情報源の良い所。

 

また、人と人のつながりという部分になりますので、信頼関係を構築することさえできれば、通常は出回らないようなコアな部分に関する情報も得ることができるなど使い方はその人次第と言わんばかりの拡張性もあります。

 

 

デメリット

LINEグループでのチャットは、メリットもあればデメリットもあります。双方向でのコミュニケーションということですので、情報交換に終始していれば良いのですがそこからあらぬ方向の勧誘が始まったり、様々な対人トラブルに発展することも考えられるというわけです。純粋に情報を得たいということであれば双方向ではなくブログメディアやメルマガなどの一方向の情報ソースを使われた方がよろしいでしょう。しかしコミュニケーションに自信のある方であれば反対に様々な情報を得ることができるチャンスでもありますので、勧誘などには留意しつつ、積極的に活用していきたいところです。

 

クローズドな環境にこそ、価値ある情報は集う

株の初心者の方が特に注目しておきたい情報源や情報チャンネルについてご紹介をしてきましたが、特にメルマガやLINEグループ、その他SNSのクローズドな環境など、とにかくWebで広く公開されている情報よりもクローズドな環境に価値ある情報が集う傾向にあるのは言うまでもありません。クローズドな環境であればあるほど、情報を確認することができるメンバーも少ないため情報の価値が下がらないというわけです。

 

 

特に株取引に関する情報は、コアな情報であればあるほど広く一般に公開されて良いものではありません。そのため、一般的な公開にそぐわないものについては自然とクローズドな環境に集まる傾向にあることから、特に情報の取得は二つの方向性で行っておくとよいでしょう。

 

そこで一般的に企業からリリースされる公式情報や政治経済の動向に関する情報などはブログメディアや速報に特化しているWebサイトから確認するようにしましょう。

 

すでに公式の情報としてリリースされているものについては情報の正確性がスピードよりも優先されますので、こういった正確性の高いメディアから情報を取得するのがおすすめです。公式情報が正しい投資判断をもたらす、というケースもあるでしょう。

 

反対に、まだ公式情報になる前の「噂」という段階の「事実になる前の情報」についてはクローズドの関係で出回ることが多いため、LINEグループやメールマガジンなどの情報に注目しておきます。

 

株の取引に関する情報は、株の取引そのものに直接関係するもののみならず、様々な企業の情報も重要な位置づけとなります。例えば特定の企業の新しい商品に関する情報が出回るとなれば、それは株価に変動をもたらす可能性が高いと言って良いでしょう。

 

こういった情報は匿名性の高いメディアや掲示板などに掲載される可能性もあることから、こちらもチェックしておいて損はありません。つまり、欲しい情報に応じてバランスよく様々なメディアの情報を集めておくというのが株の初心者だからこそ行っておきたい情報収集となります。

 

こういった情報収集に慣れていくことによって、将来的には感覚的に必要な情報の取捨選択を行うことができるようになるといってよいでしょう。

 

おまけ情報:商標の出願は必ずチェックしよう

先ほど、特定の企業が新しい商品やプロダクトをリリースする際には株価にも影響が出ることが多いとお伝えしましたが、新たな商品やプロダクトのリリースは事前に情報をキャッチすることがある程度可能です。商標の出願情報をチェックすることにより、プレスリリースよりも早い段階で商品に関する情報収集が可能なのです。

 

特定の企業から新たな商品に関する商標の出願が出ていれば、近い将来その商標において新たなプロダクトがリリースされる可能性が極めて高いことから、適切な投資判断の一助とすることもできます。

 

また応用編としては、特定の企業が出願している商標をチェックするという方法もあります。特許庁などのウェブサイト上で企業名を検索することにより、当該企業が出願している商標データが確認可能となっています。こちらから情報をチェックしましょう。

 

こういった情報は初心者の投資家さんの強い武器となります。適切な投資判断をする助けにすることもできますし、こういった情報をリリースしていくことにより、コミュニティの中で信頼関係の構築につなげることもできるでしょう。

 

そこから、ご自身が本当に欲している情報を情報交換のような形で得ることにもつながりそうです。

 

やはり投資家同士でもギブアンドテイクの精神は働くもので、コアな情報収集はまず情報の提供から、と心得ましょう。

まとめ

株は情報戦、というのはまさしくその通りです。情報を集めることにより、株価の変動がありそうな場面では適切な投資判断をすることができるようになります。そして今回ご紹介してきたようなインターネット上にある情報収集チャネルには、それぞれ特性とメリットやデメリットのようなものが存在します。こういった性質を理解することでより適切に、そしてより効率的に情報収集が可能となるわけです。

 

また、重要な情報はクローズドな環境に集う傾向にもありますので、こういった特性を理解してそれぞれ必要な情報を適切な場所からピックアップできるようになると、より楽しく・そしてより有意義に株の取引をすることができるようになります。


監修:フィデリア株式投資顧問
2014年に設立した投資顧問会社。代表がトレーダー出身。銘柄の材料性とテクニカルを意識した的中率の高い銘柄選択が人気。Yahoo!ファイナンスにも銘柄予想を執筆中。