新型肺炎の影響で、残念ながら通常通りのオフィス業務ができている日本企業はほとんどないと言わざるを得ません。ほとんどのケースではテレワーク・オンライン勤務、在宅勤務が主流ではないでしょうか。Web業界など元々在宅勤務や遠隔勤務に習熟している業界はさほどダメージがありませんが、遠隔勤務とは無縁だった業種の方々もテレワークを強いられているケースがあります。

 

ここではテレワークを円滑に進めるための便利なツールをピックアップしてご紹介していきます。それぞれどのような業界で使われているツールなのか、ということも合わせてご紹介していきますので、テレワークをこれから導入される方はぜひご参考にされてください。

オンライン執務室系のツール

オンライン上で仕事を進めるのはどういうことか?と言いますと、基本的にはオフラインのオフィスワークと大差ありません。オフィスにはデスクがあり、そこには書類やファイルなどがあり、人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくわけですが、これをオンライン上に移しただけのことなんです。

 

昔の言葉で言えば、掲示板やチャットルームがとても高機能に進化しているようなイメージです。ここでは、いわゆるオンライン執務室と表現できるような総合的なコミュニケーションツールについてご紹介していきます。

チャットワーク

まずオンライン執務室系統のツールの決定版とも言えるチャットワークをご紹介致します。チャットワークは、様々な公的機関や国の出先機関などでも利用されているなど、幅広く様々な業界で使われているツールです。

例えば領収書の整理のためのチャットルームがあるかと思えば、外部企業とのとあるプロジェクトに関する独立したチャットルームがあるなど、一つのIDで複数のチャットルームに出入りができるという特徴があります。それぞれが、専用のプロジェクトの会議室になっているようなイメージです。そしてそれぞれのチャットルームではファイルのやり取りが可能であり、さらにタスクと言って、それぞれの担当者がやらなければならない仕事を記録していくことが可能です。

 

ちなみにこのタスク、他の人を担当者としてアサインして貼り付けていくことも可能ですから、誰かにお願いしたい仕事があれば積極的にタスク機能で割り振っていくことも可能です。これにより、お願いしていた作業が完了しているかどうかも一目瞭然で、タスクを割り振られた側も、やることが抜け漏れなどを起こさなくなります。

 

ちなみに、さらに昨日は進化しているもので、それぞれのID同士で電話やテレビ電話を行うことも可能ですし、有料プランであればそれぞれのグループチャットの中でオンライン通話が可能なケースもあります。さらに有料プランといっても個人で入る有料プランであれば月額400円程度から利用できるので、コストパフォーマンス的にも極めて優れたツールと言えるでしょう。基本的な利用は無料で初期費用もかかりません。

Slack

エンジニア系の方々やIT企業の中でもプログラミングなどに関連する企業が使っているのがSlackです。これは、先ほどご紹介したチャットワークとは多少使い勝手が異なりますが基本的な使い道は一緒です。細かい違いについては割愛しますが、どちらかというとインフラ整備やエンジニアリングなど、プログラムに関連する仕事をされている方はこちらを使った方がよろしいでしょう。また、先ほどのチャットワークが純国産ツールであるのに対し、スラッグはつい最近日本語のサポートに対応し始めたような海外からのツールとなります。

そのため海外のスタッフとやり取りをするケースでは、チャットワークよりもSlackの方が何かと使い勝手が良いケースもあります。

このツールでも音声通話などが可能となっています。

ちなみにSlackは様々なアプリケーションとの連携が可能です。そういった部分に利便性を感じて普段から仕事ではSlackしか使っていないという企業も多く見られます。こちらについては、チャットワークと勢力をほぼ二分するような存在と言ってよいでしょう。もちろん全世界的な利用人口で言えば、Slackの方に軍配が上がります。

Discord

大人数で音声通話を行ったり、モバイルから長時間音声通話を行うならDiscordの出番です。こちらのツールも海外から人気に火がつき始めたツールですが、日本国内ではまだあまり利用されていないツールとなります。海外のユーザー層が圧倒的に多く、海外メディアや海外企業とのやり取りでなおかつ音声通話がメインであれば、こちらを利用するのも一つの方法でしょう。ちなみにDiscordはゲームをしながら大人数で音声通話を楽しむという目的でもともと開発されたツールのため、特にタスク管理機能やファイルの送受信機能に特別な使い勝手の良さがあるわけではありません。

 

ただし、チャットワーク・スラックはそこまで多くの人数を束ねるのには適していない反面、Discordは数千人単位でメンバーをまとめるのにも利用できます。特に大型コミュニティの運営などに関してはディスコードが使い勝手的には良いと言えるでしょう。

 

ちなみに、Discordはサーバーというものを立ち上げてその中にそれぞれのチャットルームが併設されるようなイメージなのですが、中には延々と音楽を聴くことのできるチャットルームなどが用意できるケースもあります。拡張性が高く、カスタマイズ性が高いのもDiscordサーバーの特徴と言えるでしょう。

 

日本国内の企業が利用しているというのはあまり多いケースではないのですが、大人数での音声通話で回線の安定性を望むならまずDiscordは入れておいて損があるものではないでしょう。もちろん、導入は無料で、特別な機能を使いたい場合のみ有料プランの加入が必要となります。

 

オンラインストレージサービス

オフラインでの仕事であれば、会社のコンピューターにファイルなどを保存したりUSBメモリーにファイルを保存しておけば良いだけのことですが、在宅勤務となるとファイルのやり取りにオンラインストレージサービスを利用することが求められるようになります。いわゆるクラウドというやつです。ここではオススメのオンラインストレージサービスをいくつか解説します。

GoogleDrive

まず、どこの企業でも使っている可能性が高く、また様々な人が利用しやすい環境なのがGoogleドライブです。Googleドライブは無料でアカウントを作成することができてなおかつ一人当たりに与えられるストレージの容量もかなり大きいため、まず持っておいて損はないストレージサービスです。基本的にGmailのアカウントを持っている人であれば、Gmailアカウント一つあたりに対してGoogleドライブのアカウントも付随することになります。ここに保存できるファイルはあらゆるファイルであり、WordファイルやExcelファイルなどであれば、Googleドライブで直接表示したり編集できるケースもあります。もちろん、写真や動画なども保存可能でさらに極めて簡単に共有することも可能です。

Dropbox

どちらかと言うと人と共有をするファイルがあらかじめ決まっていたり、特定多数の人に使ってほしいファイルを共有するならDropboxの出番でしょう。Dropboxはファイルの同期などを中心に極めて利便性の高いサービスですが、最近は広告代理業の会社などが広告素材をDropboxの共有フォルダに置いておき、使いたい人が自由に使えるようにしておくなど、不特定多数の人にファイルを提供するのに使っているイメージがあります。

 

GoogleDriveとDropbox、両方使えるようにしておくとベターです。

タスク管理ツール

オフラインの仕事であれば、メモにやらなければならないことを書いたり付箋を貼り付けたりできますが、オンライン上ではタスク管理ツールというものを使ってそれぞれの動きやタスクを管理するものです。ここではテレワークを円滑に進めるために使いたいタスク管理ツールをご紹介します。

Trello

タスク管理の決定版といえばこちらのツール。海外のツールではありますが、最近は日本国内でもよく利用されています。カンバンチャートと呼ばれるようなタスク管理手法が魅力で直感的な操作ができるのもとても嬉しいポイントです。

 

イメージ的にはコルクボードにA4の紙を貼り、手書きでプロジェクトの名前や業務内容のカテゴリを書いておき、そこにそれぞれやらなければならないことをカラー付箋に書いて貼っていくというタスク管理手法が、オンラインでそのまま行えるイメージです。これも他の人と共有ができたりプライベートなタスク管理ボードを持つことができるなど、利便性が高いことから是非導入しておきたいツールとなります。もちろん無料です。

MicrosoftOfficeと互換性のあるオンラインサービス

会社で文章を作ったり表計算を行うのにMicrosoftOfficeを利用されている方も多いでしょう。しかし、ご存知の通りMicrosoftOfficeは有料のものであり、ご自宅のコンピューターやスマートフォンなどに入っていないというケースもあります。そんな時に利用できるのが、互換性のあるオンラインサービスです。ここではGoogleが提供しているオンラインサービスについてご紹介します。

Googleドキュメント

Googleドキュメントは、Wordと互換性のあるオンライン上での文章編集サービスです。ほとんど使い方はMicrosoftWordと変わりません。それどころか、オンライン上で複数人で一つの文章をリアルタイムに編集することができたり、人がどんな文章をリアルタイムで書いているのか確認できるようになっていたりなど比較的オンラインでの作業を意識した仕上がりになっているのが特徴です。

人によってはGoogleドキュメントを使ったらもうMicrosoftWordには戻れないという人もいるほどです。幅広い業界で最近は利用されており、こちらも利用は無料でGmailアカウントを持っている人なら誰でも利用できます。

スプレッドシート

Googleドキュメントと同じように、エクセルのような機能を実現しているのがスプレッドシートというものです。こちらもGoogleの提供です。スプレッドシートもオンラインでの共有が可能であり、さらにスプレッドシートのプログラミングをある程度細工することにより、エクセルで言うところのマクロのような機能を利用することも可能です。

ガジェット類

オンラインツールばかりご紹介してきましたが、ここではテレワーク中に使いたい現実世界のガジェット類をご紹介します。やはり環境が整っていれば仕事の効率もアップするもので特に普段とは違う環境ですから、こういったガジェット類は充実させていきたいところです。

モニターアーム

一つのコンピューターに対して画面が二つ以上、これをデュアルディスプレイもしくはマルチディスプレイと言いますが、モニターを複数用意するような場面では、モニターアームが役立ちます。万力のような「クランプ」というものをデスクなどに固定して、そこからモニターを取り付けることで病院やホテルなどにあるようなアーム付きのモニターが実現できます。

 

特段そこまで高価なものではありませんので、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。これらを導入することにより、より適切な角度にモニターを調整することができるようになるため、疲れがぐっと軽減します。

デスクチェア

テレワークとなれば必然的にデスクワークがほとんどとなるかと思いますが、デスクにぴったりと合っているようなチェアを購入するのはとても重要なことです。さすがにテレワークが一週間程度であればちゃぶ台にあぐらでも大丈夫でしょうが、長期戦になってくるとそれでは厳しいものがあるのではないでしょうか。思い切って、デスクの高さや形状に合ったケアを導入してみてはいかがでしょう。これにより、肩や腰、そして背中などの痛みが軽減できるケースがあります。

 

まとめ

テレワークは短期間であれば慣れない方でも何とかこなせますが、緊急事態宣言や外出自粛が長期間にわたる場合はこちらもまた、長期戦を見込んで本腰を入れて環境整備を行わなくてはなりません。

 

これを機に、今回ご紹介したようなオンラインツールを導入したり、ガジェットなどを導入することによって、より快適にテレワーク環境整備を進められてみてはいかがでしょうか。ちなみに、最近はオンラインが関係ない業種というのはほとんどなくなってきました。今までオフライン一辺倒だった方も、オンライン化が進むと便利すぎてもうオフラインには戻れないかもしれません。とにかく作業効率がアップするのは良いことですから、この機会にぜひお試しください。