寒くなってくると、暖かい部屋で体が温まる料理や飲み物を楽しむのが日々の幸せになるのではないでしょうか?
温かい飲み方である熱燗がおいしい季節でもありますよね。
冬の厳しい季節だからこそ楽しめる、そんな食べ物や飲み物のなかに日本酒も含まれています。
今回は冬にぴったりな全国の日本酒をご紹介します。
【辛口】おすすめの日本酒・地酒
辛口の日本酒は、喉を通るときのピリリとした感覚や体の中から温かくなっていく、アルコール度数が高い種類も多くあるものです。
冬だからこそ楽しんで欲しい辛口〜超辛口までの日本酒15種類をご紹介します。
カネナカ きもと純米 超辛口
(出典:尾崎商店)
超辛口が特徴の純米酒です。
日本酒の発酵元である酒母を手作業で丁寧に仕上げ、米のうまみを最大限に引き出す製法である「生酛仕込み」で造られています。
日本酒のなかでも柔らかさと力強さを両方そなえている点が魅力です。
そして、ふたを開けるとバラのような高貴な香りを感じられます。約1年半の間瓶内で熟成されているのでまろやかさもあり、辛口でも辛すぎません。
ほのかに甘みと酸味も感じられ、味のバランスはとても優れています。
麹米には酒米の王様と呼ばれる山田錦、掛米(もろみづくりに使われる米)に新潟県発で最もポピュラーな品種である五百万石を採用しました。
どの温度でも楽しめて、熱燗の場合は60度ほどと少し高めの温度で温めて頂くのがおすすめです。
冷酒の場合は好みの温度に下げてから飲むとたまらない美味しさを体験できます。もちろん常温でも美味しく飲め、何回も違った味わいを楽しめる一本です。
- 産地:山口県
- 酒造地:中島屋酒造場
- 原料米:山田錦・五百万石
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+17
- 酸度:2.0
- アルコール度数:17度
八海山 純米大吟醸
(出典:八海山)
八海山は新潟・魚沼にある辛口の日本酒を代表する銘柄です。どんな種類のお酒でも一切妥協の無いハイレベルな酒造りが行われていいます。
そのなかでも「純米大吟醸」は、麹米に山田錦、掛米に山田錦・美山錦・五百万石といった3種類以上の米を使用している珍しい日本酒です。
たくさんの種類の米を使用することで、純米ながらも味に飽きがこない仕上がりに。
また、すべて手作りの麹であり、さらに八海山の雪解け水「雷電様の清水」で醸しています。透明感のあるスッキリとした味わいに加えてふわっと広がる上品な甘さが特徴的。
味のふくらみは適度で目立ちすぎず、吟醸ならではの果実のような香りを控え目に感じられます。
料理の引き立て役に徹してくれる高級感がある食中酒としてお試しいただくのがおすすめです。辛口が好きな方はぜひお試しください。
- 産地:新潟県
- 酒造地:八海醸造
- 原料米:山田錦・美山錦・五百万石他
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:+4.0
- 酸度:1.3
- アルコール度数:15.5度
清酒 八海山
(出典:八海山)
「いい酒をより多くの人に」を形にした清酒です。手頃に手に入る価格帯の清酒でありながら、妥協せず造られています。
この清酒が造られているのは、上記でご紹介した「八海山 純米大吟醸」と同じ酒造地の八海醸造です。
そこでは特に酒造りで重要な過程である麹づくりを手作業で行なっており、手間暇を惜しんでいません。昔からの酒造りを伝承しつつ、より高品質なお酒造りが行われています。
仕込み水は霊峰・八海山の伏流水「雷電様の清水」で、極軟水で純粋さが売りです。原料米である五百万石は60%のもの割合で精米しました。低温発酵で製造し、ゆっくりと丁寧に製造しています。
淡くすっきりとした飲み口のため、薄味の料理とともに楽しめることが魅力です。さらに柔らかな口当たりで甘さを感じた後、キレのある辛口を感じられます。
毎日の晩酌酒としてもおすすめできる一本です。
- 産地:新潟県
- 酒造地:八海醸造
- 原料米:五百万石
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:+5.0
- 酸度:1.0
- アルコール度数:15.5度
国芳乃名取酒
(出典:男山オンラインショップ)
微かに酸を感じる鋭い切れ味が特徴の超辛口な純米酒です。
歌川国芳の浮世絵「誠忠義臣名々鏡」から名づけられました。
海外でも「特別純米 男山」の名で販売されており、寿司や刺身といった日本料理と共に親しまれています。
酒造地である男山株式会社は約300年前から醸造を始めた歴史ある酒蔵です。元禄時代の製法である「復古酒」や純米酒、本醸造を取り入れている一方、現代人が好むような辛口を作り出しています。1977年には、日本酒で初めてモンドセレクション金賞を受賞しました。
北海道の厳しい寒さの気候風土を活かして製造しているため、淡麗でしっかりとした辛口を生み出せます。
米のうまさをしっかりと感じられる一方さっぱりとした口当たりが特徴。
湯豆腐やだし巻き卵など、さっぱりした料理や海鮮料理によく合います。
おすすめの飲み方は常温で飲む方法です。辛口が好きな方には大満足していただけるお酒でしょう。
- 産地:北海道
- 酒造地:男山株式会社
- 原料米:美山錦
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+9.0
- 酸度:1.5
- アルコール度数:15度
黒松剣菱
(出典:剣菱酒造株式会社)
創業は永正2年(1505年)と、老舗の酒造地です。「肩書き」よりも「味」がポリシー。口に含んだ瞬間、米の豊潤な味わいと濃厚な香りが広がります。
日本酒にある米の良さを惜しみなく引き出しました。味を重視しているため濾過を控え、少し黄色がかっているのが特徴。
毎年の米の出来具合によって精米歩合を変えているため、精米歩合のラベル表示はありません。米と水だけではなく、酒造りの道具や携わる人もこだわって製造しています。
酸味や辛味がほどよくブレンドされており、どちらの味わいも濃く感じられます。ただし、お互いに主張しすぎることはなく、それぞれの良さを引き出しあいながら口の中に広がっていくのが特徴です。
味わい深いコクを感じた後は鮮やかなキレが表れ、心地よい余韻を残します。冷酒で飲むと酸味がより一層目立ち、飲みやすさが増していきます。少し刺激が欲しいという方におすすめです。
- 産地:兵庫県
- 酒造地:剣菱酒造株式会社
- 原料米:山田錦・愛山
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:時期により異なる
- 酸度:時期により異なる
- アルコール度数:17度
花の舞 純米酒超辛口
(出典:花の舞酒造)
原料は農作物の生産が盛んな静岡県産にこだわっています。
元治元年(1864年)の創業以来、試行錯誤を繰り返しました。その結果静岡県産米を100%使用し、酵母は静岡県産酵母を使用しています。
ふくよかな米の香りが漂う純米酒で、さらに清涼感があふれる香りも一緒に楽しめる魅力が溢れています。辛口ですが飲みごたえがあり、珍しいタイプの日本酒です。
口当たりがよく常温や冷で飲むのがおすすめ。冷やして飲むと、酸のキレが増すのに加えて濃厚なうまみを感じられます。
食前でも食後でも飲める一本です。
- 産地:静岡県
- 酒造地:花の舞酒造
- 原料米:静岡県産米
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:+3
- 酸度:不明
- アルコール度数:16.5度
くどき上手『ばくれん』超辛口吟醸
(出典:木川屋com)
「くどき上手」という銘柄は、手の届きそうにない人物や敵でさえも説き伏せる、心を溶かす、そんなお酒を造りたいという思いが由来です。
創業は明治8年(1875年)で、一時は酒造りを停止したこともあったそうです。しかし現在は「山形の地酒と言えばくどき上手」と言われるほどの評判になりました。全商品の平均精米歩合は50%以下というこだわりがあります。
今回おすすめする「ばくれん」はラベルにある女性のことを表していて、「親の言うことを聞かず思うがままの行動をしている女」という意味です。
日本酒度は+20で、超辛口の極みを目指して造られました。製造してから2年間の熟成を経ています。
ほのかに感じるフルーティーな香りと上品で軽い味わいがあります。そのなかにも熟成を経たまろやかさがあり、飲み終わると残るのは超辛口ならではのキレの良さと余韻。
取扱店が大変少ない限定酒です。
- 産地:山形県
- 酒造地:亀の井酒造
- 原料米:美山錦
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+20
- 酸度:1.0
- アルコール度数:18~19度
菊正宗 純米樽酒
(出典:菊正宗)
世界有数の独立機関であるiTQi(国際味覚審査機構)から、極めて優秀であるという三つ星の評価を7年連続受賞、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018「日本酒アワード部門」金賞も受賞しています。
力強い酵母を手間暇かけてじっくりと育てる、伝統の酒造法「生酛仕込み」で造られています。酒樽に貯蔵した後、一番香りが良く飲み頃な際に取り出して瓶詰めされているのが特徴です。
兵庫県の大手酒造がつくる日本酒で、日本酒好きなら知らない人はいないほどの知名度を誇っています。
雑味がなくスッキリとし、非常に淡い味わいですが、そのなかにもほのかな甘さを感じられます。さらにそのなかに酸味も混ざり、キレ良く気持ちよく飲めること間違いなし。
飲み飽きない味わいにもこだわりました。家庭の食卓でも気軽に飲めて料理の邪魔をしません。辛口の日本酒に挑戦したい場合の最初の一本としておすすめです。
- 産地:兵庫県
- 酒造地:菊正宗酒造
- 原料米:山田錦
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:+5
- 酸度:不明
- アルコール度数:15度
金陵 超辛口
(出典:金陵オンラインストア)
酒名の「金陵」は、江戸時代の儒学者である頼山陽が酒造場所である琴平を訪ねた際に、中国の古都である「金陵」を思わせるとして琴平をそう呼んだことに由来しています。
万治元年(1658年)創業で歴史が深い酒造地です。江戸時代には「讃岐のこんぴら酒」と呼ばれ、金刀比羅宮のご神酒にもなっているほど。あらゆる酒造りの工程で妥協を許さず、こだわりを持ち続けています。
キレ味が強くスッキリとした味わいで、うまさの迫力も強いです。飲んだ後ののど越しは爽やかで、硬派な酸味を感じられます。
冷やすとさらに切れ味が目立ちます。また、氷を入れてロックで飲むこともおすすめです。その一方で温度を上げて熱燗で飲んでも美味しく、味わい深さを感じられます。
淡白で繊細な料理から脂っこい料理まで幅広く相性が良い、上品な商品です。
- 産地:香川県
- 酒造地:西野金陵
- 原料米:国産米
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+15
- 酸度:1.2
- アルコール度数:15~16度
長良川 超辛口
(出典:CRAVITON)
日本酒度+20という驚異の辛口。
ただただ辛いのではなく、辛さを超えたうまみを引き出しています。
「呑んでほっとする旨みの酒をお届けしたい」が酒造地のコンセプトです。
酒造地である小町酒造は「自然音楽響く酒蔵」として広く知られており、一年中ヒーリングミュージックが流れています。酒蔵の環境をより自然に近くするために始めたそうです。
岐阜県の長良川伏流水を使用し、発酵が自然終息するほどの極限まで発酵させて米の香りを醸し出す完全発酵にこだわっています。
アルコール度数が高いので濃厚で、甘みや苦みを両方楽しめるでしょう。
キレのある味わいの奥には深いうまみがあります。シャープでドライな後味が好みの方は大満足できる一本です。中華料理や焼き鳥などの濃い味付けの料理を引き立てる役割があります。
超辛口を堪能するにはロックや冷酒がおすすめです。
- 産地:岐阜県
- 酒造地:小町酒造
- 原料米:岐阜県産米
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+20
- 酸度:1.2
- アルコール度数:18度
上善如水 純米吟醸
(出典:白龍酒造株式会社)
酒造地である白龍酒蔵株式会社は安政2年(1855年)から創業を開始し、旅人や商人を相手に酒を提供していました。
新潟県魚沼地方の雪溶け水が50年という歳月をかけて清く純粋な地下水になり、その水をくみ上げて酒造りに使っています。
酒名の「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」は、古代中国の有名な哲学者である老子の言葉からとっています。その名の通り水のように透き通った透明な色が特徴的です。
発酵臭が感じられる一方、味わいは雪解け水のようにすっきりと淡麗です。純米酒ならではの米の味と吟醸酒ならではのキレを合わせ持っています。
雑味がなくまとまりがよいため、万人受けすること間違いなし。辛口があまり得意ではないという人、日本酒をあまり飲んだことがない人でも飲みやすく感じられます。
どんな料理でも一緒に楽しめるほどの癖のなさが魅力です。
- 産地:新潟県
- 酒造地:白龍酒造株式会社
- 原料米:こしいぶき・五百万石
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:+5
- 酸度:1.3
- アルコール度数:14~15度
常山 特別純米 とびっきり辛口
(出典:酒泉洞堀一)
400年という歴史をもつ常山酒造で製造されています。現在8代目である常山家は、常に伝統的な文化と新しい発想を両方取り入れています。
海の幸と山の幸が揃い、食の宝庫と言われる福井県で製造された日本酒です。日本有数の米どころであり、ミネラル豊富な白山水系を水源としている環境は酒造りに最適です。
とびっきり辛口という名の通り、日本酒度は+19という高さです。純米酒の辛さの限界まで到達しました。辛さのなかにも旨みを感じられます。キレの良い味わいにこだわる一方米の旨みを充分に引き出すことも忘れていません。
低温発酵という清潔で丁寧な製造方法のため、クリアな味わいが特徴的。上品な酸味が淡白な料理によく合います。美しくてスッキリとした切れ味も楽しむことができるでしょう。
辛口の限界に挑みたい方、いつもの辛口よりも上の辛さを知りたい方にはおすすめです。
- 産地:福井県
- 酒造地:常山酒造
- 原料米:山田錦
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+19
- 酸度:不明
- アルコール度数:16〜17度
春鹿 純米 超辛口
(出典:春鹿公式通販サイト)
創業は明治17年(1884年)。春日大社とその神獣である鹿から名前を取り春鹿と名づけられました。
日本酒発祥の地である奈良で製造されており、奈良の地酒と言えば春鹿が挙げられることも多いです。現在は世界10数か国で愛飲されています。
昔ながらの手作りの仕込みにこだわり、伝統的な酒造りを現代まで受け継いでいます。発売開始は35年以上前にも関わらず、今でも高い人気と知名度を誇っているのが特徴です。
華やかでフルーティーな香りが強く、注ぐだけで感じられるほどです。味のバランスが良く、酸味と辛味を程よく味わえます。米のうまみは残しつつも切れ味は確実に残るように調節しました。
キレの良さにまろやかさをプラスしているため、超辛口ながら飲みやすく、魚介類との相性が抜群に良いです。
冷酒にすると軽快なうまさに、熱燗ではキリっとしたうまみが口の中に広がります。
- 産地:奈良県
- 酒造地:今西清兵衛商店
- 原料米:五百万石
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+12
- 酸度:不明
- アルコール度数:15度
大山 燗麗辛口 本醸造
(出典:勝鬨酒販株式会社)
燗酒コンテスト2010年金賞受賞、全国燗酒コンテスト2015お値打ち燗酒熱燗部門最高金賞受賞と数多くの賞をとっている日本酒です。
居酒屋などで「気軽においしいお燗酒を」というコンセプトのもと、親しみやすい日本酒を目指して醸成されました。
お燗専用の本格辛口酒と明記されています。熱燗にしても感じられるほどの奥行き深い味わいです。
大山の特徴であるさらりとした口当たりが際立っている日本酒です。口に入れた瞬間ふわっと香りがたち、しっかりとした米のうまみを感じられます。
また、やわらかくバランスのとれた味わいが広がる点も魅力。甘さと酸味は控えめで、後味はキレが引き立ちます。
すいすいと飲みやすく、飽きがこないためついついもう一杯と手が伸びるでしょう。お燗にすると優しく旨みを感じさせて爽やかな香りが広がります。
どんな料理の邪魔もせず、食中酒として抜群です。
- 産地:山形県
- 酒造地:加藤喜八郎酒造
- 原料米:はえぬき
- 辛さ:辛口
- 日本酒度:+5.0~+6.0
- 酸度:1.2~1.3
- アルコール度数:15度~16度
越乃景虎 本醸造 超辛口
(出典:諸橋酒造株式会社)
創業は弘化4年(1847年)です。上品な超軟水を仕込み水に使用しました。
酒造地である諸橋酒造が位置するのは新潟県長岡市で県内でも有数の豪雪地。山に積もった雪は春になって溶けると土深くに潜り、数十年の歳月をかけて浄化され、酒に適した仕込み水になります。
お手頃価格かつ程よい辛口の日本酒を求めている方にうってつけです。
喉元をすっと落ちていくような酒を味わってもらいたいとの気持ちから造られたため、するりと飲めます。落ち着いた香りとスッキリとした飲み口が特徴です。
そんななかでもほんのりとした米の旨みが存在しています。辛口なのに辛さを感じさせず、むしろ甘いと感じる人もいるほどです。
冷や~熱燗までお好みの温度で試すことができます。冷やですっきりと、熱燗でずっしりとした旨みが楽しめる一品です。
- 産地:新潟県
- 酒造地:諸橋酒造
- 原料米:五百万石・新潟産米
- 辛さ:超辛口
- 日本酒度:+12
- 酸度:1.4
- アルコール度数:15度~16度
【甘口】おすすめの日本酒・地酒
辛口の日本酒を紹介しましたが、甘口の日本酒でも様々な味や香りを楽しむことができます。
甘口の日本酒には癖がなく飲みやすい種類もたくさんあるため、試してみてください。
楽しく飲める甘口の商品をオススメしていきます。
花の香 桜花 純米大吟醸 火入
(出典:吉田屋オンラインショップ)
1902年に創業した吟醸酵母発祥の地である熊本県の酒造、花の香酒造の代表銘柄が「桜花」です。2017年にはフランスのソムリエが審査をするKURA MATER2017で審査特賞を受賞したほど高い評判を誇っています。
現代では機械による搾りが一般的ななか、巨大な一本の木を天井からつるして圧力をかける「撥ね木搾り」という製法でゆっくりと時間をかけて搾られています。
味わいは軽快で芳醇。チェリーのような可憐な香りをまとった甘口が特徴的です。淡くてジューシーな甘みがありつつも、程よい酸味と米の旨みも凝縮されておりキレもしっかりと存在しています。
雑味が少なく綺麗な風味で、味のバランスが大変良いことも魅力。また、食前酒として口の中を整えるのに役立ち、料理のうまさを引きだたせてくれます。
女性にとてもおすすめできる日本酒です。
- 産地:熊本県
- 酒造地:花の香酒造
- 原料米:山田錦
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:非公開
- 酸度:非公開
- アルコール度数:16度
醸し人九平次 純米大吟醸 雄町
(出典:株式会社マツザキ)
甘口の日本酒の中では有名な種類です。サブタイトルになっている「SAUVAGE(ソバージュ)」はフランス語で「野性」の意味を表します。
酒造地である萬乗醸造は、1647年から創業を開始しており、今の当主でなんと15代目。原料米の雄町はあまり聞いたことがない方もいるかもしれませんが、実は酒米品種の中でも歴史が古い品種です。
その雄町を50%まで磨き上げました。その力強い野性味は醸し人九平次の酒質によく表れています。
南国のフルーツのような芳醇な香りと共に、口の中で柔らかなコクと旨みが広がっていきます。日本酒度が0で酸度が1.7ということから分かるように、甘みと酸味のバランスは絶妙です。
また、ボリューム感のあるうまみも存在しています。濃厚で脂っこい料理でも負けないので、食中酒としても最適です。
- 産地:愛知
- 酒造地:萬乗醸造
- 原料米:雄町
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:0
- 酸度:1.7
- アルコール度数:16~17度
醸し人九平次 Le K VOYAGE
(出典:株式会社マツザキ)
日本酒を楽しむ旅に出て欲しいという思いを込めて製造された逸品です。
Le K VOYAGE(ル・カーボヤージ)という名の「Le」はフランス語で「その」「あの」という意味で、「K」は醸し人・黒田庄の頭文字から取りました。
VOYAGEはフランス語で「旅」という意味を表しています。
原酒ですがアルコール度数は日本酒の中では低い14度なので、飲みやすさが特徴的です。
日本酒重要な製造工程の中の一つ、「追い水」でアルコール度数を低く抑える技を仕込んだことで原酒の味わいそのままに飲みやすさを実現しました。
追い水は非常に手間暇がかかる作業なので、丁寧な製造方法であることが分かるでしょう。
バナナ系の中にベリーや梨も感じられる、フルーティーな香りが魅力です。
ワインを思わせるような口当たりがあり、透明度が高くスッキリとした味わいが楽しめます。
- 産地:愛知
- 酒造地:萬乗醸造
- 原料米:山田錦
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:非公開
- 酸度:非公開
- アルコール度数:14度
出羽桜 一路
(出典:出羽桜酒造株式会社)
毎年ロンドンで開催されるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で最高賞を受け取っていたり、純米酒大賞金賞を受賞していたりと輝かしい成績を数々残しています。
酒造地である出羽桜酒造は酒造りのなかで貯蔵に特にこだわっています。全国で初めて「脱酸素装置」を導入し、日本酒に含まれている酸素を効率的に除去しました。
その後-5度の冷蔵庫で熟成させることで日本酒の劣化を防ぎ、年間を通して高品質な日本酒の出荷が可能です。
強い香りにスムーズな飲み口で、口の中を爽やかに満たします。米のうまみがしっかりしており濃厚でやや甘口です。
おすすめは冷やして飲む方法で、より香りと味わい深さを楽しめます。どんな料理とも合わせやすく飲みやすさが抜群なため、日本酒初心者や普段日本酒に親しみがない方にもおすすめです。
- 産地:山形県
- 酒造地:出羽桜酒造
- 原料米:山田錦
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:不明
- 酸度:不明
- アルコール度数:15度
一白水成 改良信交 純米吟醸
(出典:升新商店)
名前の由来は「白」い米と「水」から「成」る、「一」番うまい酒という言葉からきています。
原料米である改良信交は、秋田県農業試験場で選抜された栽培特性・醸造特性の良いもののみで構成されているお米です。
袋吊りという古風な方法で時間をかけて絞った雫酒のみを瓶詰めしました。年に一回の発売なので、数が少なく品切れしてしまうこともしばしば。
香りが強い柔らかなレモンとグレープフルーツの甘酸っぱさを瓶の中に閉じ込めた日本酒です。甘口でジューシーな香りとインパクトの旨みが口の中をいっぱいに。その後軽やかな酸味と爽やかさが喉を抜けていき、心地よさが余韻となって残っていきます。
だんだんと呑んでいくうちに癖になっていくようなお酒です。淡白で繊細な料理とともにその味わいを楽しみつづけられます。
- 産地:秋田県
- 酒造地:福禄寿酒造
- 原料米:改良信交
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:ー4~ー1
- 酸度:1.6~1.8
- アルコール度数:16度
陸奥八仙 華想い40 純米大吟醸
(出典:八戸酒造株式会社)
創業は元文5年(1740年)です。Kura Master 2020 純米大吟醸部門で金賞を受賞しました。陸奥八仙ブランド最高クラスのひとつで、40%も精米を使用している純米大吟醸です。青森の日本酒と言えば「八仙」と言われるほどのブランド力を誇ります。
青森県産にこだわり、米も水も青森でとれたものを使用しています。
おすすめの飲み方は冷や。南国の果物を詰め込んだような濃厚で華やかな香りと芳醇なフルーツの味わいが贅沢に感じられます。
純米大吟醸クラスの重厚感と磨かれたことによる清涼感が同時に味わえるのが魅力的。ただし重すぎず、綺麗でするりとした飲み口が味わえます。
甘みは強く、飲みやすいことも評価が高い点です。その後ほのかに残る酸味の余韻が心地よく感じられます。
価格は決して安くはないですが、値段以上の価値を感じられること間違いありません。贈り物にも最適です。
- 産地:青森県
- 酒造地:八戸酒造
- 原料米:華想い
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:不明
- 酸度:不明
- アルコール度数:16度
一ノ蔵 発泡清酒 すず音
(出典:株式会社 一ノ蔵)
珍しいスパークリングの日本酒です。
なかでも「すず音」はそのパイオニア的存在になっています。
1998年の発売から翌年にテレビで取り上げられると一躍話題になり、スパークリング日本酒の地位を築いていきました。
すず音というかわいらしい名前は、グラスに注ぐと立ち上る繊細な泡が鈴の音を奏でているようだという由来からきています。
口の中でシュワっとやさしく感じられる泡は、シャンパンと同じ瓶内発酵によって生まれる自然で造られた炭酸ガスから成り立っています。お米の優しい味わいの中に柔らかな甘酸っぱさを感じられることも魅力的です。
アルコール度数が日本酒の中でかなり低い5度のため、日本酒が苦手な人や普段あまりお酒を呑まないという方にも向いています。
カクテルベールやデザート酒にもたのしめるフルーツのような日本酒です。
- 産地:宮城県
- 酒造地:一ノ倉
- 原料米:トヨニシキ
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:不明
- 酸度:不明
- アルコール度数:5度
新政 Colors 純米 生成(エクリュ)
(出典:大和屋酒舗)
幕末の嘉永5年(1852年)に創業した酒造地です。
地域性を尊ぶために、秋田うまれの酒こまちという米と秋田の水を原料に使用しました。
酒母には、天然の乳酸菌を活用した発酵方法の「生酛仕込み」を用いており、丁寧に造られています。醸造における純粋性を主張するために、徐酸剤・酵素剤・無機塩類などの添加物は一切利用していません。
日本酒製造工程の最終段階で、仕込み水に日本酒を利用した貴醸酒です。お酒を利用することでより甘みが増し、まろやかになります。水よりもコストがかかるため、贅沢な仕上がりです。
蓋を開けると柑橘系の香りが前面に出てきます。マンゴーのようなトロっとした濃厚な甘みが特徴的です。その甘みの中にもほんのりとした酸っぱさがあります。
弱目の苦味が、軽やかに味を引き締める役割を果たします。
- 産地:秋田県
- 酒造地:新政酒造
- 原料米:あきた酒こまち
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:不明
- 酸度:不明
- アルコール度数:15度
花陽浴 純米大吟醸 吟風48% おりがらみ生
(出典:矢島酒店)
『太陽の陽ざしをたくさん浴びて大輪の花を咲かそう』というコンセプトのもと作られた日本酒です。
花陽浴の職人は酒を造る手間を惜しまず、伝統的手法を守りつつも最先端の技術を深く追求しています。
北海道代表で芳醇な香りが特徴的な酒造好適米「吟風」を48%精米。袋吊りによって圧を加えず、ポタポタと自然に垂れ落ちる贅沢な「雫酒」だけを瓶に採った贅沢な一本です。
香りはフルーティなパインアップル系。また、甘味と味のふくらみのバランスを素晴らしく感じられます。甘みももちろん感じられますが、苦味が初めにしっかりとやってきます。
重みはあるがひきずらず、キレがとても良いです。酸味も程よく実感しながら飲み続けられます。
アルコール度数は高めのため、濃い日本酒を飲みたい方におすすめです。
- 産地:埼玉県
- 酒造地:南陽醸造
- 原料米:吟風
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:不明
- 酸度:不明
- アルコール度数:16〜17度
仙禽 麗 うらら
(出典:はせがわ酒店オンラインショップ)
文化3年、1806年創業、日本三大美肌の湯に数えられる喜連川温泉で有名な栃木県さくら市に位置している酒造地で造られました。
うららの漢字「麗」は、綺麗・うるわしいなど、美しさを表現する文字です。実際、その名前に相応しい贅沢で上品なお酒に仕上げています。
酒造地である「せんきん」の中でもプレミアムな日本酒です。「袋搾り」という滴り落ちた雫だけを集めたため、多くの量を生産することはできません。そのため非常に希少価値が高い一本です。
ボトルの外見にもこだわりがあり、芸術的な「麗」の文字は高級感を演出させます。贈り物を選ぶ際の候補にぜひおすすめです。
香りはもぎたての青リンゴや白ぶどう系の華やかさが広がります。口に含むと上品な味わいにより心地よさを感じられます。
シンプルながらも奥深さを感じられるため飲み進めたい気持ちが増していくでしょう。
- 産地:栃木県
- 酒造地:せんきん
- 原料米:ドメーヌさくら亀ノ尾
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:非公開
- 酸度:非公開
- アルコール度数:15度
作(ざく)雅乃智 純米大吟醸 中取り
(出典:リカーズマサミ)
2019年 6月「全米日本酒歓評会 2019」で金賞グランプリ受賞、2017年 4月「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2017」で銀メダル受賞をした誇り高い日本酒です。
「雅乃智」のコンセプトは、「香りと味わいのバランス」になっています。ただし、1本の仕込みで香りと味がバランス良く整ったお酒を製造するのはかなり難しいことです。
そこで雅乃智では、香りを重視した米吟醸と味を重視した仕込んだ2種類の純米吟醸酒を造り、その両方をブレンドして香りと味の両立を実現した酒に仕上げました。
グラスから漂う香りは冷涼感が強く、爽やかです。一口含むと、さらに香りが口の中で広がります。さらにそれだけでは終わらず、甘味やコクも舌にしっかり感じられます。
丹念に舌の上で転がし続けると大変味わい深いお酒であるとお分かりいただけるでしょう。
- 産地:三重県
- 酒造地:清水清三郎商店
- 原料米:山田錦
- 辛さ:甘口
- 日本酒度:非公開
- 酸度:非公開
- アルコール度数:16度
日本酒・地酒の甘口辛口、見分け方は?
日本酒や地酒の味わいを表すときには「甘口」「辛口」という言葉がよく使われますが、その見分け方が実はよくわからないという人も意外に多いのではないでしょうか。
甘口・辛口の見分け方は、覚えてしまえばとても簡単です。
代表的な方法として、以下の2つが挙げられます。
- ラベルで見分ける
- ブランドで見分ける
この見分け方を知っていれば、自分好みのお酒と出会いやすくなるはずです。
早速、それぞれのポイントを確認していきましょう。
ラベルで見分ける方法
日本酒や地酒のラベルに記載されている内容を理解することで、甘口と辛口を見分けられるようになります。
ラベルで確認すべき要素は以下の3つです。
- 日本酒度
- 酸度
- アミノ酸度
まず「日本酒度」とは、日本酒・地酒の中の糖分の比重を数値化した度数のことです。
お酒によって日本酒度は様々で、日本酒度の値が小さくなればなるほど甘口、値が大きくなればなるほど辛口になるという傾向があります。
日本酒度が-だと甘口、±0.0~+3.0は中間の味わい、+3.1以上は辛口と分類されることが一般的です。
「酸度」とは、日本酒・地酒に含まれる酸がどれくらいかを表している数値のことです。
漢字から酸っぱさの度合いを想像されるかもしれませんが、酸度は単純な酸っぱさを表しているわけではありません。一般的に、酸度が低いと甘く感じ、酸度が高いと辛く感じます。
ただし、甘口と辛口を見分ける際は日本酒度と合わせて確認しましょう。酸度が低くても、日本酒度が高いと辛口になり、酸度が高くても日本酒度が低いと甘口になるためです。
また、全ての日本酒・地酒に書かれているわけではありませんが「アミノ酸度」も甘口と辛口を決定するための要素になります。
アミノ酸度とはその名の通り、日本酒・地酒に含まれているアミノ酸の数値です。アミノ酸が多いとうまみが濃厚になり甘さ・辛さを強く感じられるように、アミノ酸が少ないとスッキリと軽く甘さ・辛さを感じやすくなります。
ブランドで見分ける
日本酒・地酒には辛口と甘口それぞれを代表するブランドがあります。
ブランドによって辛口や甘口以外にも特徴があるので、様々な種類を買って飲み比べるとさらに日本酒・地酒を楽しめるでしょう。
辛口・甘口の代表ブランドは以下の通りですので、参考にしてください。
<辛口の代表ブランド>
- 春鹿
- 剣菱
- 越後桜
<甘口の代表ブランド>
- 雪中梅
- 屋守
- 風の森
まとめ
日本酒には全国の量販店に販売してあるお酒はもちろん、ご当地のみにしか販売されていない幻の一品もあります。
実際に足を運んで酒蔵の蔵開きなどに参加すると、またちがった楽しみ方ができるかもしれません。
しかし県外まで足を伸ばすにも苦労しますし、時間がない方も多いでしょう。
今回ご紹介してきた日本酒は全て通信販売で購入することが可能です。
自宅にいながら、さまざまな日本酒をお取り寄せすることが可能ですので、今まで試してきたことがないテイストの日本酒も気軽に楽しめるのではないでしょうか。
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